アパート暮らしで職を失ってしまった
大学を卒業して自分の稼ぎで一人暮らしを始めたものの、仕事に慣れず、半年で辞めることになってしまった、まだまだ世間知らずな20代前半のころ。
地方の1Kのアパート暮らしでしたが、初任給は、労働時間で割ると最低賃金レベルのものでした。
毎月の収入は、毎月のささやかな暮らしで消えいき、お金を得ることの大変さ、お金を貯めることの大変さを思い知りました。
仕事を辞めた時、身も心もボロボロで、先のことなど考えられませんでした。
親とは上手くいっておらず、実家へは帰りたくない、なんと自分で、ここで暮らしていかねばと思っていました。
…が、無収入でアパート暮らしを続けることの恐ろしさを、そのあと知ることになります。
入ってくるお金はないのに、通帳からはしっかりと家賃、水道、電気代、ガス代が引かれ、しかも毎日何か食べなければいけない。
何か食べ物を買わなければいけない。
スーパーで買い物をする時に何を買えば安くてお腹にたまるのか悩み、うろうろしていました。
一食100円するカップラーメンは高く感じてよく買っていたのは素麺です。
ゆで時間が短いのはガス代的に助かります。
夏はというと。
エアコンを使うと電気代が怖いので、細く窓をあけ(蚊がはいらないように網戸はしっかり閉めて)、キッチンの換気扇を回し、うっすら外から入ってくる風のようなものにあたり、汗をだらだらかいていました。
寝られずに毎日ぐったりしていました。
無職になったとき、ハローワークで家賃補助を受けられる制度など知りませんでした。
お金がないと、思考力も奪われます。
なんとか次の就職先を見つけたものの、給料が振り込まれる日まで、外で自分が社会人としてちゃんとした風貌を保てていたのか、今振り返ると危うかったと思います。