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お好まない焼き|貧乏時代に開発したご飯メニュー小麦粉焼き
大学生の頃は仕送り暮らしをしていたんだけど、慢性的な貧乏学生でいつも月末は金欠だった。
そんな月末のある日のこと。
かろうじて小麦粉だけは余っていたので、お好み焼きを食べようと思った。
だけど冷蔵庫を開けてみれば中身は空っぽ。
肉もキャベツもない。
当然、財布の中にはお金もない。
そのまま悩むこと数時間。
空腹に耐えられなくなった僕は、ふと思い立った。
「せめて雰囲気だけでも味わおう」と。
小麦粉を水で溶かし、フライパンで焼き、ソースをかけ、かつおぶしをまぶして出来上がり。
青のりなんで上等なものはない。
そして完成。
キャベツも肉もないけど、見た目はそれなりにお好み焼き風になった。
少々物足りなさを感じるだろうが、きっとそれなりにおいしいだろう。
グルグルとおなかを鳴らしながら、期待を込めてパクリとひとくち。
なんとこれが想像以上に・・・不味い!いやそんなはずはない、お好み焼きから単純に肉やキャベツを取り除いただけではないか。
生地の部分だっていつもおいしいじゃないか。
それなのにまずい。
不味い!不味すぎて箸を進めることができない。
超金欠で空腹MAXであるにもかかわらずだ。
おそらくキャベツや肉から滲み出る旨み成分が、お好み焼きの味を構成する大きなファクターとなっているのだろう。
しかし、食料と呼べるものはアパートの部屋の中にこれしかない。
このまま餓死するわけにもいかない。
仕方なくその物体を無理やり口いっぱいに頬張った僕は水道水と共に胃袋へと流し込んだ。
これが貧乏時代の究極メニュー『お好まない焼き』。
まさにお好まない出来栄えのお好み焼きでした。
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