生活

東京に行った親友の話

東京に行った親友の話

親友がディズニーランドの専属ダンサーを目指し単身で上京しました。

しかし家族の支援や手持ちのお金が一切皆無の状態で上京したためにほぼ無一文の状態で郊外のボロアパートを借りて住むことになったそうです。

 

そのアパートの家賃は割高でなおかつ食費や光熱費等がかさんで親友の持ち金はすぐに底を尽きてしまいます。

 

そして様々な金融機関に借金をしてしまうのですが、それでも所持金が増えることはありませんでした。

 

そこで親友は何を思ったのか”闇金“に手を出してしまいました。

 

50万円借りたそうですが、案の定に利子が暴利であるためにどれだけ後から稼ごうと、借金は増えていきます。

 

親友は自殺を考えたそうですが、幸運にも縄がちぎれて自殺は失敗に終わったそうです。

 

そして最終的には私に哀訴して、「必ず返すから100万円を貸してほしい」と頼み込んできました。

 

私にとって彼は唯一無二の親友であるため、むざむざと見捨てることもできず100万円を現金で渡すことにしました。

 

銀行で1日20万円ずつ引き出して、一週間後に100万円を私の自宅にて彼に手渡しました。

 

親友は「本当にありがとう」と何度も感謝を告げて深々と頭を下げます。

 

私は彼に「ダンサーの夢を諦めて、地元でまっとうな仕事を探したらどうか?」と提案しましたが、兄弟や両親と絶縁してしまった親友には寄る辺がなく再び東京へと戻っていってしまいました。

 

現在は念願の専属ダンサーとなってディズニーランドでひたすら踊っているそうです。

 

あの時にもしも私が100万円を貸さなかったらと想像すると、先のない未来が見えてゾッとしてしまいます……。