社会人1年目として働き始めた頃にさかのぼります。
私は専門職として、同じ職種の先輩のいない職場に配属され、1週間の本部研修ののち現場勤務になりましたが、現場に先輩がいないため、本部から指導に来てくれていた方がいました。
しかし折り合いが悪く、胃の痛い日々を過ごしていました。
日々を覚えてこなすのが精いっぱいの中、売り上げを上げなければいけない、仕事のやり方が悪い、遅い、など、何かにつけて毎日怒られていて、数か月後には続けていく自信もなくなってきました。
しかし、このままではいけないと思って某カフェ会に参加したのです。
そこで、ある自己啓発団体の方と出会いました。
彼女は、私の話を静かに聞いてくれた後に「自分を変えてみない?望む未来が創り出せるようになるから」と一枚のカードをそっと渡してくれました。
弱り果てていたその頃の私は、数日後に彼女のもとを訪れ、そのプログラムを受けることとなったのです。
しかし、どうしても100%信じきれないような、なにかひっかかる所があったためにお試しで受けてみて、考えてとにかく一度に契約せず、ゆっくり進めていきましたが進むにつれて他の地方で開催する2週間のコースに参加しないかと強く勧められました。
シフト制のため連休は2日しかとれず、有休もとれない職場だったため、抵抗しましたが、「自分を変えてみない?望む未来が創り出せるようになるから」との甘言に耳を傾けて、職場で頼み込んで3日の連休を調整してもらいました。
しかし、自分の思いとは裏腹に、職場との溝は大きくなっていきます。
それでも、「ここで頑張れば変わるかもしれない」という期待がありました。
数か月後、今度は海外で行っている2週間のコースを強く勧められました。
日本からそう遠くもなく、3日の連休と前後の早番、遅番でなんとかなりそうだったので、また職場の人に頼み込み、嫌な顔をされながら、私は海外のワークに参加しました。
当日到着してからの支払いだったのですが、2週間のコースに1日半ほどしか参加できないのに割引等はなく、全日程分コースの金額に全日程分テキストの金額も全額追加され、「えっ」と思いながらも支払いをして参加し無事帰国したのです。
1カ月もたたないうちに、今度はまた別の海外での大きなワークを勧められます。
今度ばかりは本当にお金がなく、もう無理だと抵抗しました。
しかし、「自分を変えてみない?望む未来が創り出せるようになるから」と何度も、団体の何人からも説得され、いい加減職場に嫌気がさしていた私は、仕事をやめて、海外のコースに参加しようと決意したのです。
十分に支払えるお金も、やめた後のことも、しっかり考えていないまま。
「ここで頑張れば変わるかもしれない、変わるはず」という期待があったのです。
職場の上司、両親は大反対。
怒られ泣かれ、修羅場と化した状況で、ふと我に返ったのです。
私はこれ以上は無理だと彼女に告げ、大量の着信も、SNSもブロックし、手紙も無視し続けました。
その後引っ越したので、今でも来ているのかはわかりませんが、あのまま仕事を辞めて参加していたら、今の私はどうなってたことでしょう。
自己啓発は、自分を高めるためにもちろん大切ですが、しっかり見極めなくては自己投資どころか大切なお金を失うだけになる、と学んだ経験です。