怪しげなものはちゃんと断りましょう
就職してすぐ本屋でもらったエステのチラシに興味を持ち無料体験に行った。
全身もみほぐし等を60分ほど気持ちよく施術を受けたが、「無料より高いものはない」と言う言葉の通りで施術後個室に通されて担当者から延々と営業トークを受けて断りきれずローンを組んで通うことになった。
通っていくうちに補正下着、ダイエットドリンクや入浴剤など次々におすすめされて、それも断りきれずに気がつけば月々の支払い額が生活を圧迫。
勤めていた会社は中小企業で給与も入社からほとんど上がらずボーナスも1ヶ月以下で奨学金の返済もしていた為に友人と遊ぶお金もほとんどなく、貯金は全くできなかった。
そんな頃に実家も金銭的に困窮していたようで、学生時代仕送りに使っていた銀行口座に避難させていたボーナス(雀の涙ほどだが)が勝手に引き出されて愕然とした。
しばらくもやしと納豆だけの生活をしたほどだ。
「生活を犠牲にしてエステをしても意味がない」と思いきってやめて1年ほど必死でローンを繰り上げ返済した。
しかし完済した矢先に今度は宝石のキャッチにひっかかってしまった。
総額200万円。
しかも銀行ATM横の無人機でカードローンを組まされ、そこで引き出したお金をそのまま手渡しすると言う、今思えばヤクザのようなやり口だった。
宝石はきちんと手元にあり、鑑定書もあるが果たして本当にその価値があるのか。
怖くて他の鑑定に出せず、かといって手放すこともできず。
5年以上経ち、結婚出産を経た今でも地道に返済を続けている。
もしもきちんと断る勇気があったら。
中小企業の事務で地道に勤めててもきちんと貯金できて、3年に1回くらいは海外旅行に行けてたのではないか。
そう思うとあの日の自分に平手打ちしてでも「断れ!」と言ってやりたい。